大判例

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東京高等裁判所 昭和28年(う)3019号 判決

被告人 田内善清

〔抄 録〕

第一点。

記録を調査すると本件起訴状記載の訴因は、

「被告人は氏名不詳者(男)と共謀の上昭和二十八年三月三十日頃の午前四時頃東京都渋谷区千駄ケ谷五丁目八百五十三番地所在東京鉄道局代々木信号分区物置内において同分区長大竹利治管理にかかる鉛被覆ケーブル線約十八貫匁(時価五万円相当)を窃取したものである」というにあり、検察官が原審第三回公判期日に追加した予備的訴因は「被告人は窃盗犯人たる氏名不詳者某から同人が他から窃取した鉛被覆ケーブル線約十八貫匁の周旋を依頼せられその賍物であることを了知しながら昭和二十八年三月三十日頃の午前八時頃東京都渋谷区幡ケ谷原町九百二十五番地龍田乙彦方において同人に対し五千四百円で売却し以て賍物の牙保をなしたものである」というにあつて、右両事実を彼此対照するに孰れも他人の賍物たる鉛被覆ケーブル線約十八貫を不法に領得することに係り互に密接の関係を有し其の基本的事実関係に於て同一性を有するものと認め得るから同賍物牙保の予備的訴因の追加は所論の如く公訴事実の同一性を害するものとして訴訟手続の違反なりとなし難く論旨は理由がない。

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